AIでは成立できない仕事
みなさまこんにちは
ホームエージェントの水谷でございます。
最近世間に浸透しつつある「AI」。
SNSでAIを使った動画やイラストをよく見かけるようになりましたが、まだまだ日常的に使用するという方は少ないかと思います。
ニュースなどでAIが人間の様々な分野で仕事を奪ってしまうのではないか?とちょくちょく記事にされますが、確かにそうなったら怖いですし、技術の進歩が目覚ましいので、少し現実的でもありますよね。
クリエイティブな分野の仕事をされていらっしゃる方にこの現状をインタビューされたニュースを発見しました。
アニメ・特撮分野の脚本を多く手掛ける脚本家の小林雄次氏に、ずばり「生成AIは人間の仕事を奪うのか」という質問に回答されていました。
結論は「生成AIが完成度の高いシナリオを書けたところで、それによって脚本家の仕事は奪われないでしょう」との事。
これは日本の脚本家の立ち位置が大きいらしく、大半の商業作品の脚本は、監督やプロデューサーや出資各社それぞれの意見を、極力全部ストーリーだけでなく、セリフレベルまで反映して、成立させる。
脚本家とは、そのチームが望んでいる最適解をシナリオに落とす事が仕事という事でした。
会議で出たさまざまな意見を脚本家はすべて書き留め、次の稿に反映する。その稿にもたくさんの意見が寄られ、また反映する。それを何度も繰り返し、完成していくそうです。
更には、会議で出された意見を言葉どおり反映するだけではダメで、言葉の裏も汲まなければなりません。『あのプロデューサー、ああ言ってたけど、本心ではこうしてほしいんだろうな』みたいに推し量る必要があり、言外の意図も汲んだ直しをすることは、経験値でしかこなせません。
あくまでシステムであるAIではなり替わる事が出来ないわけです。
少し安心しますよね。
しかし、以前ブログでも記載しましたが、ハリウッドの脚本家たちは「仕事が奪われる」と懸念して2023年にストを起こしました。
これは日本とハリウッドでは脚本の位置づけがかなり異なるからであり、ハリウッドでは、脚本家がオリジナルの脚本を書き上げてから、その完成脚本をエージェントを通じて映画会社に売り込むことができます。
映画会社は面白い脚本を見つけたら無名であってもピックアップして、大予算をつけて著名監督に撮らせる。そこに夢があります。
もし映画会社が生成AIを使ってオリジナル脚本を安く作ることができたら、お金を払って脚本を買い取る必要がなくなってしまう訳ですね。
生成AIに作らせ、脚本家にその手直しを任せることになれば、脚本家の収入も地位も大きく下がる。脚本家としてはそれは絶対に避けたかったが故に起きたストだったのです。
人の感情を読み取る事はおそらくどんなにAI技術が発展しても難しいと思います。
ロボットが題材の映画やアニメでも人の感情が分からないというよくあるシーンですね。
人の心を動かすクリエイティブな分野で、まさに人の心がAIにとって超えられない絶対領域なのです。
私もお客様のニーズを汲み取ってご提案をする事をより一層意識して仕事に取り組みたいなと思わせるニュースでした。